
米国・ノースカロライナ州ダーラムのデューク大学医療センター、
S.ボイル博士らの研究で、高レベルの敵意や怒り、抑うつの感情を抱いてる男性は、
心臓血管障害を引き起こす原因となる炎症マーカーの値が、
長期間にわたり、増加し続けていることがわかりました。
以前から、敵意や怒りの感情に支配されやすい男性に、
心臓血管障害が多いことは知られてきましたが、メカニズムは明らかではありませんでした。
博士らのチームは、平均年齢50歳の男性313人を被験者とし、
敵意、怒り、抑うつ度について1985年に調査を行いました。
そして同じ被験者を対象に、1992年、1997年、2002年の3回にわたって、
C3、C4と呼ばれる二つの炎症マーカーのレベルを測定しました。
その結果、最も高い水準の敵意、怒り、抑うつ度を示した被験者グループは、
1992年から2002年の間に、C3のレベルが最も上昇していることが判明。
しかしC4では、そうした心理的な要因との関係は認められませんでした。
高レベルのC3は、心臓病、心拍リズムの異常、糖尿病などと関連があることが知られています。
この結果から博士らは、敵意や怒りなどの心理的・感情的要因が、炎症の慢性化を引き起こし、
ひいては、病気の原因となることが明らかになったとしています。
(Brain, Behavior, and Immunity 2007年8月号)
医療ジャーナリスト宇山恵子の取材日記より抜粋
★感情が身体に与える影響 “怒り”
体調を崩したり、それが進んで病気になる原因を東洋医学では3つに分類しています。
*内因・・・心理などの精神面
*外因・・・自然界などの影響、風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪
*不内外因
病気になる原因としての、内因の感情・情動の部分は現代社会においては、
「精神的ストレス」と最も関係のある病因なのかもしれませんね。
内因は、内因七情(しちじょう)と呼ばれ、七つの感情のことを指します。
喜ぶ・怒る・思う・憂う・悲しむ・恐れる・驚く
人間らしく生きるためにはこれらの感情が必要ですが、一つの感情が度を越したり、
あるいは持続したりすると臓の気が低迷してしまい、それが進んで病気となってしまいます。
喜び過ぎる(はしゃぎ過ぎ、しゃべり過ぎ)ことも、「心の陽気」を消耗するとされます。
高レベルの“怒り”やその感情が持続すると、「肝の臓」の働きを低下させます。
「肝」は気を全身に巡らせる働きがあり、肝の栄養保存作用で、栄養に富んだ血液を“肝血”
と呼んでいます。
全身の筋肉・靭帯や腱はこの肝血によって、栄養が与えられているため、肝血が不足すれば、
腱などが病的状態に陥り、四肢の伸展や屈曲が不自由になり、拘縮を生じることになります。
肝の機能状態を反映するのが、目です。
また爪は腱が伸びて出来上がったもので、爪の状態が正常か異常かで、肝血の盛衰を現しているとされます。
目がかすむ、爪に光沢がなくぱさつく、筋肉がつるなどの症状は「肝気」の乱れや、「肝血」の消耗があるという現れです。
敵意や持続した“怒り”は、精神衛生状は言うまでもなく、心臓疾患や糖尿病のみならず
「肝気」も奪ってしまいます。
「病は気から」ということわざもあるように、七情のバランスをとることが、健康にとっても
大切なことがわかりますね!